誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!

精神科医が「人の気持ちを動かそうとするな」と断言するワケPhoto: Adobe Stock

感情をベースに考えない

今日は「人の気持ちを動かそうとするな」というテーマについてお話しします。

世の中には、感情をベースに物事を考える人が多いのですが、これには問題があります。感情は気まぐれで確実ではないからです。

どんなに上手に気持ちを組み立てても、急に変わることがあるのです。だから感情をベースに物事を考えると、うまくいかない可能性が高まります。

仕組み化する

たとえば、組織のリーダーとしてみんなの士気を高めようとして、メンバーの「気持ち」を操作しようとすると、空回りに終わることが多いです。

一時的に成功しても、それは一過性のものになりがちです。長期的な視点で物事を進める場合、感情ベースのアプローチではどこかでつまずくことになります。

これは他人に対してだけでなく、自分に対しても同じことがいえます。大切なのは、感情に関係なく、うまくいくような「仕組み」を考えることです。

成功のための仕組みをつくる

たとえば、努力に対して適切な報酬を得られるというシンプルな仕組みを整える。理不尽な思いをさせないこと、明確な基準を設けること、成功のための仕組みをつくることも大切です。

仕組みをベースに考えれば、やる気のある人もない人も、同じ仕組みのなかで同じように動くことができます。

人の気持ちは変わるもの

特定の人のやる気に依存してしまうと、その人のモチベーションが下がったときに全体が機能しなくなってしまいます。人の気持ちは変わるものですし、同じ対象に向け続けられるとは限りません。

結局のところ、感情をベースに物事を進めると、さまざまなことに振り回されてしまい、うまくいかなくなります。ですから、気持ちをベースに物事を考えないようにすることが重要なのです。