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【精神科医が教える】だからストレスを溜めてしまう…二流、三流の人は無意識に「自分の常識」を他人に押しつけるPhoto: Adobe Stock

常識というものはない

今日は「常識というものはない」というテーマについてお話ししたいと思います。

多くの人が「常識はあるでしょう」と思うかもしれませんが、実は常識というのはとてもファジーなものなんです。

環境や文化によってまったく異なることもあれば、個人によっても捉え方が違うことがあります。

当たり前のことなどない

例えば、家に入るときに靴を脱ぐことが常識の文化もあれば、靴をはいたまま上がることが当たり前の文化もあるわけです。

常識という言葉は、みんなにとって当たり前のことをさすはずですが、実際には全員にとって当たり前のことなどないともいえるのです。

一般的に使われている常識という言葉の裏には、その場の空気感や流れを読めという同調圧力が隠れているのではないでしょうか。

常識など全くない

そんな曖昧な常識なんて、本質的にはないのです。むしろ、常識など全くないという認識でいたほうが、世の中をうまく渡っていけると思います。

もちろん、常識が全くないかといえば、そうではないかもしれません。しかし、常識がないと認識して、人それぞれの価値観により目を向けたほうがいいということを言いたいのです。

そうやって相手の価値観をしっかり理解する必要があるし、同時に自分の価値観もよく理解しておく必要があります。

思考停止にならないために

自分の常識が必ず通用すると思ってはいけませんし、かといって他人の常識に必ず合わせる必要もありません。

なぜ常識をないものとして扱ったほうがいいかというと、この言葉は「思考停止」を引き起こすからです。

「常識だ」と言われると、私たちは考えることをやめてしまいがちです。でも、考えないと物事は、たいていおかしな方向に進んでしまうんです。

自分の頭で考えることが大事

どんな組織でも、「こうするものだ」と思考を止めてしまうと、だんだん腐敗・衰退していきます。だから、常識という言葉は非常に危険なものでもあるのです。

代わりに、「なぜこうなるのか」「なぜこうしているのか」と自分の頭で考えることが大切です。

常識を疑い、常識はないと思っている人のほうが、様々なことに気づき、人生でうまくいくことが多いです。

「常識」に埋もれるアイデア

常識という概念を取り払い、一つひとつのことをしっかり考える習慣をつけておくと、人生の様々な場面で役立つはずです。

多くの穴場やアイデアは、みんなが常識だと思っているところに隠れています。常識にとらわれず、自分の頭で考え続けることの大切さを忘れないでください。