そこに健全なライバル心が少し織り交ぜられるのはだめ、なんてことはない。

 私が嫌なのは、女性同士が競いあうように仕向けられるあれだ。

 転職した1社目の新聞社で経験したことがある。ふたりいる20代の女性のひとりだった私は、出世競争をあおられる環境にいた。こういうふうに、外から駆り立てられるパターンが多いものの、女性みずからがライバル心を燃やしすぎてしまうこともないわけじゃない。

 このような対立は、ジェーン・ガーベイが経験している。

 57歳のジェーンはポッドキャスト番組『Fortunately』で、共演者のファイ・グローバーと長いあいだ競っていたことに気づいた。これこそが、友達づきあいの深まりを押し止める原因になっていたそうだ。

「同じ仕事を求めている女性アナウンサー同士だから、本当に親しいわけじゃなかった、というのが本音です。ふたりともそれなりの年齢の女性で、白人で身長も同じくらい。ふたりとも黒髪。笑いのつぼも似ている。私たちを見分けられないBBCの職員たちが大勢いたくらいです。おたがいの存在を知っていたし、同席するような機会もよくあったのに、共演したのはこのポッドキャストが初めてでした。いまではだいぶ距離が縮まりましたよ。先週はランチをしたし、一緒に本も書きましたしね」。