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【精神科医が教える】アナタの隣の「困った人」への対処法・ベスト1Photo: Adobe Stock

困った人への対処法

今日は、困った人への対処法について話したいと思います。

基本的に、困った人がいたら、その人を説得しようとか、話し合いで何とかしようというのは、あまり考えないほうがいいと思います。

もしそれが通じる相手だったら、そもそも困った状況にはならないはずです。困った状況になっている時点で、話し合っても無理なんです。「話し合えばわかる」というのは嘘です。

なぜ困った人なのか?

困っている状況になっているということは、誰がよいとか悪いとかではなく、少なくとも相手と自分の価値観や環境が共有できていないということです。だから困ってしまうのです。

もし共有できているのであれば、多少の違いがあっても、普通のやり取りの中で収まっていくはずです。それができないから、困った状況になっているのです。

「あの人は困った人だ」とか「ストレスだ」と思ったら、その時点で相手はそういう存在だと思って、個人的に何とかしようというのは放棄したほうが無難でしょう。

「わかってくれた」は錯覚?

では、どうすればいいのかというと、あまり接しないようにするとか、なるべくすれ違うとか、大事にならないようにするなど、基本的に避ける方向で対処するのがよいと思います。

どこかで相手に対して「変わってほしい」とか「変われるだろう」という期待があるものですが、話をして決着がついたとしても、それはあくまで一時的なことなのです。

「わかった」と言ったとしても、「よかった」と思っても、高い確率で、遅かれ早かれまた同じことを繰り返すでしょう。

ストレスの根源を絶つ

そもそも、「この間話したからたぶん大丈夫だろう」と思って、ドキドキしながらまた接するのはナンセンスです。なぜ同じストレスを繰り返し抱えなければいけないのでしょうか。

結局、相手に期待をして変わってくるだろうと思うことが、相手を見張ることになり、その結果を確認しようとすることでストレスになるのです。

そもそもそんなことを考えないでいられるようにしたほうがよいわけで、そのためには、その人と関わらないことを選択するべきです。

お人好しをやめましょう

みんなどこかでお人よしなのです。人は目の前で話している相手に「通じるかも」とか「何とかなるかも」と期待してしまいがちですが、実際はそうではありません。

その場はうまくいったような気がしても、本質的に人が変わるということはなかなかありません。アナタのために変わる義務もないのです。

このことを心に留めておくと、困った人との付き合い方がもっとラクになるかもしれません。