そのような「思惑」が透けて見えるのが、9月6日に開催された「百条委員会」で、片山安孝・前副知事の言葉だ。亡くなった県職員幹部が職務中に作成したパワハラなどを告発する文書を「不正」なものだと考えた理由について聞かれた片山氏は幹部職員のメール内に「クーデターを起こす」「革命」などの言葉があったと主張した(兵庫県議会インターネット配信)。
もちろん、あくまで「失脚させられる側」の主張なので、全てを鵜呑みにすることはできないが、幹部職員が斎藤政権に強い不満を抱いていたのが「井戸政権の方針を踏襲していない」という点にある可能性は高そうだ。
問題なった文書の中には、兵庫県の外郭団体である「ひょうご震災記念21世紀研究機構」の副理事長を、片山副知事が一方的に解任したことに触れ、「五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何ものでもありません」と述べたり、「とにかく斎藤氏は井戸(前知事)嫌い、年長者嫌い、文化学術系嫌いで有名」と批判している。井戸県政を否定する斎藤知事に対して、強い憤りを感じていることが読み取れるのだ。