「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
高齢の親にしておきたい「延命治療」の意思確認
延命治療に関する確認は、生死に関する大切なことです。
延命治療は、大きくわけて「人工呼吸」「人工栄養」「人工透析」の3つがあります。自発的な呼吸がむずかしい人の呼吸をサポートするのが「人工呼吸」。口から食事を摂取できない人に対して「胃ろう」や「点滴」などを行い、栄養を与えるのが「人工栄養」。そして、腎機能不全により老廃物を排出できない人に行うのが「人工透析」です。
さて、延命治療の意思確認ですが、とても重要なことなので、問題を先延ばしにしないことが基本です。しっかりと親の意思を確認してください。
とはいえ、子どもからしても覚悟のいることなので、なかなか切り出せない方もいると思います。「もし、〇〇になったら延命治療したい?」とストレートに聞くのは、誰だってむずかしいものです。
ですので、そんな場合は「自分の考え」を先に伝えてみましょう。
たとえば、「最近、延命治療の番組を見たよ。私だったら、こうしたいな」のように、延命治療の番組を見たうえで至った「自分の考え」を先に伝えるのは優れた方法です。
ほかにも「本や雑誌で読んだ」など、なんでもいいので自分なりに、話しやすくなる切り出し方を探してみてください。
いずれにせよ、延命治療を行うか否かの意思確認は、しっかりと話し合っておくことが大切です。そして、話し合いの結果を必ず書面に残し、親子で共有してください。可能であれば、かかりつけ医に渡しておくとさらにいいです。