テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになった。そして19歳のとき、4つの銘柄を買ったことが株式投資の始まりだった。あれから68年、バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで減った。しかし今、資産は20億円まで増え(2024年6月時点)、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
ダマサれないように
注意すべきこと
ほかの投資家の心を読もうとすれば、こちらを惑わそうとする動きにダマされることも少なくなります。
株をやっていると、株価が上がる(下がる)材料が何も出ていないのに、急に株価が動くこともあるのです。そんなときには注意が必要です。
売買のなかでは、約定する意思がないのに大量の注文を出すことを「見せ板」といいます。
本来は禁止されているのですが、実際の取引では、「明らかに見せ板だろう」と思われる注文が結構あります。
「見せ板」ってなんだろう?
ここで「見せ板」について具体的に説明しておきましょう。
上の板を見て、単純に考えると売り手は「970~990円では売れるけれど、できればそれより高値で売りたい」と考えます。
買い手は、「990円までは買われてしまう」と考えます。その結果、株価は1000円以上の値を指すわけです。
「見せ板」のやり口とは?
ところが、実はこの970~990円の注文が“全部ウソ”の場合があるのです。
自分が買った株の値をつり上げたいばかりに見せかけの注文を出し、約定しそうになったら即座に注文をキャンセルするというやり口です。
そして株価が1000円を上回ったところで売り、儲けるわけです。
“ずる賢い人たち”の手に乗らない
もちろん、本当に売るつもりだったけれど、結果的に見せ板になってしまうケースもゼロとは言いませんが、意図的に高く売りつけてくる投資家は残念ながらいますし、今後もなくなることはないと考えていいでしょう。
これは、ほかの投資家に誤解を与えることを目的としたかなり“グレーな行為”です。悪質な場合には違法な相場操縦として摘発される可能性もあります。
株の世界には、このように「株価を操作してやろう」と考える“ずる賢い人たち”が少なからずいるのです。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。