「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から、中高年におすすめの習慣をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】老後の憂鬱をふきとばす「2つの習慣」とは? 足腰の若返りにおすすめ

運動にプラスしてほしい2つの習慣

年齢を重ねるごとに不安になるのが足腰の健康です。
朝早く散歩をしていると、散歩道は中高年世代のウォーキング花盛り。
その後ろ姿を拝見すると、「あの方はゆがんだ状態で歩いているので、歩き終わったら腰が痛くなってしまうかも……」という目でつい見てしまいます。

ウォーキングによってどんどんゆがみがひどくなり、腰の痛みだけではなく、ひざの痛みまで出てしまうだろうなと、予測できます。

ゆがんだままウォーキングすることは、倒れそうな家をまっすぐに起こさないで、つっかえ棒をして歩いているようなものです。
ゆがみを自覚されている方は、早めに自力整体で「ゆがみを調整」し、まっすぐに立て起こす習慣を取り入れてみてください。

ほかにも、健康維持といえば中高年に人気の山登り。達成感や爽快感を味わえるいい運動ですが、下り坂はひざに相当な負担をかけます。とくに、股関節が硬い側のひざが痛くなりがち(※股関節をほぐすワークは後半紹介)。

山登りに限らずどんな運動も、ケガや痛みのリスクを回避するには、「柔軟性の維持」に視点をおいてほしいのです。いかに体をしなやかにして、脱力するかに焦点を当てた筋肉育てが安全で効果的なのです。

とくに中高年世代は、「筋肉を鍛えなければ衰える」という観念を頭からいったん外してみてください。優先するべきは柔軟性の維持、それから筋肉の強化です。

硬い筋肉はバランスをくずしたときに瞬発力がないためケガや骨折につながります。足腰の健康は、しなやかで流れのよい筋肉が理想的なのです。

「ゆがみの調整」「柔軟性の維持」。この2つの習慣は、老後の健康不安の解消認知症の予防にもつながります。日常に取り入れてみてください。

次ページで、手軽にできる「股関節を柔らかくする」ワークを紹介しましょう。柔軟性やゆがみの調整にも役立ちます。

【整体プロが指南】老後の憂鬱をふきとばす「2つの習慣」とは? 足腰の若返りにおすすめ矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗