手始めに、チームで外に出てみよう

 とはいえ、「社外だと、サボるのでは?」と疑いの目を光らせる管理職もいるだろう。いきなり一人で外に出るのは勇気がいるかもしれない。

 であれば、チームでサードプレイスに出てみよう。コワーキングスペースの会議室や宿泊施設などを借りて業務合宿や研修会を実施してみる。管理職同席のもと、チームで社外の施設で仕事をしてみる。こうしてチームごと外に出てしまえば、管理職や仲間の目もお互い行き届く。管理職も社外で仕事をする体験をすることで、その良さに気づくかもしれない。

 マネージャーとメンバーの1on1や、顧客との相談をサードプレイスで行うのもよい。オフィスでは人目が気になり話しにくいことも、サードプレイスであれば打ち明けられたりもする。

安全性が高い施設を活用する

 一方で、情報漏洩のリスクなどを懸念し「個人の作業を外で行うのはちょっと……」とおよび腰になる企業もあるだろう。
 その気持ちはもっともだ。カフェなど不特定多数の人が集まる場所での勤務が不安な場合は、信頼できる企業や公的機関が運営する会員制の施設を利用するのもよい。

 MYOKO BASE CAMP(新潟県妙高市が運営するテレワーク研修交流施設)など、行政機関が運営し、なおかつチームでの業務合宿や検討会を実施するのに相応しい施設もある。浜松いわた信用金庫が運営するFUSE(フューズ)など、地域の金融機関が運営する会員制のサードプレイスも増えてきた。そのような信頼できる施設を利用してみるのもいいだろう。

 せっかくならチームで安全・安心な状態で体感しつつ、サードプレイスの有用性を実感しよう。

一歩踏みだす!

 ・チームの業務合宿や研修会などをサードプレイスで実施してみる
 ・公的機関などが運営する施設を利用して安全に仕事をする

(本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

沢渡あまね(さわたり・あまね)
作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『職場の問題地図』(技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)など著書多数。