絶対にNGな付言例
矛盾や悪口、寝た子を起こす記述は無用

付言例(4)

 遺言書では○○(長男)にあげるように書いたけど、私の本音は○○(長女)にもらってほしいです。今でも迷っています。自分たちで決めてもらってもいいぐらいです。お任せします。

 これはかえってモメてしまう最悪の付言です。自分たちで決めてもらうなら最初から遺言書は書かないほうがよいです。相続人同士で決めなくて済むようにするために遺言書を書くわけですから。

 仮に本文に「長男に○○を相続させる」と書いてあってもこの付言があるせいで手続き先の法務局や金融機関が長男への名義変更や払戻しを素直に認めるかどうかわからなくなってしまいます。

付言例(5)

 親不孝者!私もお父さん(夫)もあなたには失望しました。あのズボラな○○(嫁)の顔も見たくありません。なぜあなたが財産をもらえなかったかは自分の胸に訊いてみればわかるでしょう。

 遺言者Gさんは最初、上記の付言を考えていました。事情をお聞きするとたしかにお気持ちはわからないでもありませんでした。ただ、この付言を見たときの息子夫婦の気持ちはどうでしょうか。