「慶應のバッターの気迫に押され
逃げ腰になってしまった」
そして迎えた、2021年の東京六大学野球春季リーグ戦。初戦の法政大学戦で、慶大ナインの「変化」が早くも表れます。
優勝候補筆頭の法政大学に2点をリードされる苦しい展開。しかも、6回までノーヒットで1人の走者も出せず、完璧に抑え込まれていました。点差以上に相手との力の差を見せつけられ、意気消沈してもおかしくない状況です。
それでも、慶大の選手は相手ピッチャーに少しでもプレッシャーを与えようと必死でボールに食らいつきました。ベンチの選手たちも「いいぞ!」「まだまだこれからだ!」と前向きな言葉を送り続けます。すると、好投を続けていた相手ピッチャーに異変が起きます。ヒットこそ許さないものの、コントロールに乱れが生じ、試合の終盤に6つの四球を出してしまったのです。