奇跡は自分のなかにある、だから生まれ変わりさえすれば、きっと人生の逆転劇を起こせるに違いない――。「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「自分ならできる」と信じられるノウハウを紹介する。

アインシュタインが遺した成功の哲学Photo: Adobe Stock

失敗のない人生は挑戦することのない人生である

 失敗をしない人は、新しいことに挑戦しない人だ。
 ――アインシュタイン

 アメリカの心理学者ジュディス・リッチ・ハリスは、マサチューセッツ州のブランダイス大学を優秀な成績で卒業し、ハーバード大学大学院の心理学科に進学しました。ところが、博士学位の取得に失敗し、ハーバードを追われました。彼女が大学院をやめたときに心理学科からもらった手紙には、こう書かれていました。

「あなたには学問的な独創性と独立性が不足しています。……あなたは私たちが望むような心理学者になることは難しいでしょう」

 にもかかわらず、彼女はあきらめませんでした。どの大学にも属していないのに、情熱と執念で研究に打ち込みました。そして1995年、彼女はアメリカ心理学会から最も優れた新人研究者に与えられる「ジョージ・ミラー賞」を受賞しました。

 面白いことは、その賞が著名な心理学者ジョージ・ミラーの業績を称えるために制定された点です。ジョージ・ミラーは数十年前、当時大学院生だったハリスに書簡を送って追い出したハーバード大学の心理学科教授だったのです。

 失敗したい人はいません。ですが、失敗のない人生はアインシュタインの言葉通り、挑戦することのない人生です。何かを成し遂げるとき、必ず失敗が伴います。自分が望む成果をつかむには、失敗のリスクを甘受する勇気が必要なのです。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)