十文字地の利にも恵まれた「十文字」(東京・豊島区)

首都圏にある女子中高一貫校は80を超える。前々回は「難関・上位・中堅」を、前回は「神奈川と千葉」を取り上げた。3回目の今回は、残る「東京の中堅・中位」の女子校について、2025年入試の人気動向を予想する。特需にわく学校がある一方で、生き残りをかけて共学化にかじを切る学校もある。(ダイヤモンド社教育情報)

絶好調の湾岸の中堅校「中村」

 2025年中学入試は、中堅・中位校を中心に人気が上昇する傾向にある。6月から7月に実施された四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の志望者数合計を前年同期と比べ、24年や23年入試での実倍率も参照しながら、東京の中堅・中位女子校の25年入試の競争状況を考えてみたい。

 まずは中堅校から見ていこう。印象的な校舎が竣工(しゅんこう)してからもう四半世紀がたつ中村(江東区)は、最寄りの東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河」駅の利便性と湾岸ブームで、着実に人気が上がっている。複数回受験で不合格が続いても、合否判断で一定の考慮をすると明言しており、第一志望の受験生には受けがいがありそうだ。なお、募集要項は暫定版のため、今後変更があるかもしれない。

 また、試験科目にはないものの、英検有資格者の見なし得点(5級70点、4級80点、3級90点、準2級以上100点)を設けることで、合否ラインに近い受験生にも合格の可能性を与えている。

 2科・4科の一般入試は、1回目が[1日1日](左=入試日、右=入試名、以下同じ) 、2回目が[2日2日]、5日から変更された3回目が[4日午後]である。それぞれ24年実倍率と四模試志望者数の増減を見ていくと、[1日1日]は1.82倍で2.4倍増、[2日2日]は3.7倍で2倍増、[4日午後]は3.32倍・9割強増と、すさまじい勢いとなっており、25年入試は同校にとって前代未聞の競争状況となりそうだ。

 特待生入試は、1回目が[1日午後]、2回目が[2日午後]に行われる。同様に見ていくと、2.72倍・3割増、3.67倍・2.5倍増とこちらも志望者数の増え方がすごい。

 その点、[1日適性検査型] は24年実倍率1.46倍で、25年狙い目の入試回となるだろう。都立両国と白鴎を意識した三つの45分間筆記試験で、両校の模試的な内容である。

  [4日ポテンシャル]も24年実倍率1.67倍(23年と22年は1倍!)と受けやすくて受かりやすい。スピーキングとリスニング問題のみの「英語型」、あらかじめテーマが発表された作文と小学生時代の活動を個別面接でアピールする「活動アピール型」という区分がある。