普連土学園志望者数が「全面高」状態にある「普連土学園」(東京・港区)

前回の男子校編に続き、今回から3回連続で首都圏の女子校を取り上げる。夏休み前、6月から7月にかけて行われた四模試での、各校入試志望者数の変動と偏差値の推移を見ながら、2025年入試の人気動向を予想する。中堅校に絶好調な学校がいくつかあるようだ。(ダイヤモンド社教育情報)

※文中の偏差値は2024年4月現在のもの

最高水準の受験状況が続く2025年中学入試

 夏休み前、2025年中学入試に臨む受験生はどのような志望状況となったのか。前回の男子校に続いて、今回から3回連続で首都圏にある中高一貫女子校について見ていこう。四模試(サピックス、四谷大塚、日能研、首都圏模試)の前年同期との志望者数の変化から、25年に実施される一般入試の人気を予想する。どの入試が人気を集め、実倍率(合格者数÷受験者数)を上げそうなのか。また、どの入試がより受けやすくなりそうなのか。24年や23年入試での実倍率も参照しながら、25年入試の競争状況を一緒に考えていこう。

 四模試の受験者数を見ると、過去最高水準だった24年入試の勢いが25年も継続しそうである。とはいえ、どの入試も受験生が増えるわけではない。難関・上位女子校は、男子校以上に緩和傾向が目立つ。男子校では実倍率3倍前後は珍しくないが、女子校で3倍を超える入試は少ない。2倍前後で競い合う傾向にあり、難関・上位校の志望者が多いサピックスの女子校の偏差値は、最高でも桜蔭の63にとどまっている。

 偏差値(四谷大塚合不合80)で40~30台の中位校の層がとても厚いことも女子校の特徴といえる。毎年のように共学化の発表があるように、特に中位校では募集に苦労する学校も珍しくないものの、23年、24年と中学受験者数が過去最高水準を記録する中、こうした“募集困難”校にも一部、特需が発生している。