大きな声で話すことの大切さは、これまで見過ごされがちでした。しかし「声」は、「姿勢」や「視線」とともに、「話す力」を支える大切な要素の1つなのです。そしてその声の大きさは、トレーニングをすることで、確かな効果が得られます。

クラスメイトが驚いた
トレーニングの成果

 そもそも日本語の発声は、顔の筋肉の20~30パーセントしか使っていないとも言われています。顔の筋肉の弱さが、日本人が話す外国語が通じにくい要因の1つと指摘する人もいます。その一方で、日本人女性の声は世界一高いと指摘される別の研究者もおられ、「声」というのは、身体的な特徴や話し手の心理状況だけでなく、文化的・社会的な価値観の影響も受けているように感じます。

 私はこれまでの授業の中で、声の小さいお子さんたちが、発声トレーニングをしてから発表に臨んだ時に、担任の先生やクラスメイトが「あれ?こんなに大きな声が出るの!」と驚くほどの声量でプレゼンすることができたという場面を多く目にしてきました。