結婚は嗜好品、子どもは贅沢品…
奨学金に苦しむ若者の心境

 なぜ未婚(独身)女性にも、結婚の希望格差が及んだのか、理由は大きく2つあると考えます。

 1つは、奨学金の借り入れをはじめ、学生時代からの経済苦、もう1つは「共働き」を前提とした働き方の変化でしょう。以下にポイントを挙げながら、みていきます。

 いまや4年制大学(昼間部)に通う学生の約半数(49.6%)が奨学金を借りており、平均受給額はおよそ310万円にものぼります。受給率は、96年(21.2%)の2倍以上に増えた計算です(20年 日本学生支援機構「学生生活調査」ほか)。

 背後には、今日の大学生の親の多くが、先の「貧乏クジ世代」(団塊ジュニア)に当たり、両親の生活が決して楽ではないこと、また大学進学率が上がる一方で、大学の年間授業料がこの約30年(91年→21年)の間に、とくに私立で約1.5倍(約64万円→約93万円)にも値上がりしたことも関係しているでしょう(21年 文部科学省調べ)。