誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!

精神科医の私が「うつ病」になり、悲しみの底で見つけた「誰にでもできる大切なこと」Photo: Adobe Stock

精神科医が告白するうつ病経験

私は精神科医ですが、かつてうつ病で苦しんだ経験があります。

パートナーを亡くし、仕事に追われて、本当に忙しい毎日を過ごしていましたが、仕事がひと段落して、少し落ち着いた頃、突然うつ病を発症したのです。

パートナーを失ってから1年ほど経った頃でした。

夜がやってくるのが怖い……

朝起きると涙が止まらず、夜がやってくるのが怖くてたまりませんでした。

夜、寝ようとするたびに、深い闇に吸い込まれるような感覚に襲われ、ちゃんと眠れるかどうかさえわからなくなっていました。

毎朝起きた瞬間から、夜のことを考えてしまい、その恐怖が毎日続いたのです。

「いつか元気になる」という希望

そんな中でも精神科医として仕事を続けていたので、正直しんどかったです。

ふり返ると、あの時の自分は「とりあえず生きていよう」という気持ちで日々を過ごしていました。

それでも、心の奥底では「いつか元気になる」という希望が残っていたんです。

徐々によくなると信じていた

無理に元気になろうとはせず、時間が経てば少しずつよくなる。そういうことは、精神科医としての知識があるのでわかっていました。

だからこそ、いまは苦しくても、「いつか回復する」と信じて過ごすことができました。

うつ病には波があり、その波を受け入れながらも、徐々によくなると信じていたのです。