多くの米世論調査の注目される結果の陰で、政治的に大きな意味を持つ異例の事態が起きている。共和党支持者を自認する有権者が民主党支持者を上回ったのだ。共和党が30年以上ぶりに政党帰属意識で安定的優位に立ったことがうかがえる。これは11月の米大統領選挙で再選を狙う共和党候補のドナルド・トランプ前大統領にとって、大きな構造的後押しとなる。ただ、他の要因がより大きく影響する可能性もある。民主党候補のカマラ・ハリス副大統領は多くの世論調査で僅差のリードを維持している。無党派層からの支持が高いことなどが要因だ。米NBCニュースの調査に携わる共和党系の世論調査専門家ビル・マッキンターフ氏は5月の調査で、共和党支持者と答える有権者が増えていることに気付いた。同氏は「この数十年で初めて、国全体の政党帰属意識で共和党が優勢になった」と指摘。この動向は「見落とされている2024年のゲームチェンジャー」だと述べた。