「双十節」式典で手を振る頼清徳総統「双十節」式典で手を振る頼清徳総統=10月10日 Photo:Alberto Buzzola/gettyimages

「中華人民共和国に台湾を代表する権利なし」
頼清徳総統が建国記念式典で演説

 10月10日、台湾の頼清徳総統が建国記念日に当たる「双十節」式典で演説した。5月20日の総統就任演説に次ぐ、重要な演説である。

 5月の演説では(過去記事「『むき出しの警戒心』に中国が猛反発、台湾有事の緊張感を高めた新総統の演説とは?」参照)、「中国が、中華民国が存在する事実を正視し、台湾人民の選択を尊重することを望む」、「中国の主張を全て受け入れ、主権を放棄したとしても、中国が台湾を併合するたくらみは消えない」、「中華民国と中華人民共和国は相互に隷属しない」などと主張。中国側は、2022年8月のナンシー・ペロシ米下院議長(当時)訪台後以来の大規模な軍事演習を通じて反発を示した。

 今回はどうだったのか。筆者も画面越しで、生中継で演説を見た。頼演説を振り返ってみる。