公共施設の建設・運営に活用のPFI、普及にブレーキ?物価上昇で浮上した「重要な課題」写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

多様な形態が存在するPFI

 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)とは、公共施設等の建設・運営等を、民間の資金や能力を活用して実施する事業手法である。単なる業務委託ではなくPFIを利用することで、公共セクターにとってはより効率的な事業実施が期待できる。

 PFIの類似概念としてPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ、官民連携)があるが、PFIはPPPの一手段とする解釈が一般的であり、しばしば「PPP/PFI」と一括して呼称される。本連載では「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(以下、PFI法)にのっとった事業をPFIと呼ぶこととする。

 PFI法は、効率的な社会資本整備などを目的として1999年に施行され、PFIの手続きや民間資金等活用事業推進機構(以下、PFI推進機構)の業務等を主な内容とする。PFIに係るルールとしてはPFI法のほか、PFIの諸原則(公共性、民間経営資源活用、効率性、公平性、透明性)などを定めた「基本方針」や、実務の指針をまとめた各種ガイドラインが存在する。

 PFI法に基づき内閣府に設置されたPFI推進会議は毎年、PFIの件数目標や重点分野などを示した「アクションプラン」を公表している。例えば令和6年改訂版のアクションプランでは、分野横断型事業の促進や活用領域の拡大、PFI推進機構内に設けられた「官民連携支援センター」の活用による地方公共団体や民間事業者へのサポート等が盛り込まれた。