ライブなどでたまに外出しているとはいえ、基本、ひきこもりコミュ障だった私は、なかなかうまく症状を伝えられずに、まごついた。「部屋」に誰にも入られたくない、いつも不安がある、手を洗うのに時間がかかる、というところまで言ったら医師が、「あぁ!」と気がついた。逆誘導尋問のような気がしないでもなかった。

投薬治療の効果で
少しずつ回復の兆しが

 かくして、正式に「強迫性障害」という病名を与えられた私は、投薬治療を受けることになる。月に一度、通院し、面談、処方された薬を服用するようになった。そして、数カ月ほど経つと、少しずつ強迫観念という名の不安がましになっていることに気づいた。

 一気に霧がサッと晴れるようにはいかなかったが、本当に徐々に徐々に……回復へ向かっているのが感じられたのだ。たとえば、外出時には腹をくくって、あとで消毒をすればいいや!とバスや電車の吊り革を掴めるようになっていた。家の中では相変わらず、消毒に明け暮れてはいたのだが。