と、言っても、日課の掃除がクラクラせずにキビキビとできるようになった、ぐらいの変化ではあったが。

 ちなみに、季節関係なくグラス満杯にして食べていた氷も、鉄剤を半年ほど飲んだあたりから、まったく欲することはなくなっていた。実に不可思議である。とはいえ、鉄不足になっていなければ、こういった症状も出ていなかったわけなので、まさに、「貧血恐るべし」だ。

与えられた病名は
「強迫性障害」

 次の転機は20代半ば頃だった。

 ある心療内科のチラシを目にしたのがきっかけだった。新しく開院するというその医院は、割合と近くにあって通いやすそうだなと感じた。

 私は自分の勘に引っかかる“もの”や“こと”を総称して、「呼ばれる」と言っていた。ピンときたものは逃さないようにしていたのだ。

 とはいえ、通うには母の許可を得なければならなかったので、そのあたりはキチンと話をしたように思う。精神科より心療内科のほうが幾分、ハードルが高くなかった、というのもある。

 そうして、発病から10年以上を経て、自分でもよくわからない動機から、ようやく病院へ通うことになった。