「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は何も分かっていない」。ドナルド・トランプ前大統領は15日、シカゴ経済クラブでこうあざけった。「彼らはあらゆることについて間違ってきた」トランプ氏はその2日後、ニューヨークにあるWSJのオフィスで同紙の論説委員会と向き合い、こう話し始めた。「まあ、私はある程度支援してもらったし、論説委員会、そしてWSJと関係のあるすべての人を非常に尊敬している。いつも読んでいる。論説委員会からあまり良い扱いは受けていないが、司法の武器化という問題では非常に良い扱いを受けてきたし、それには感謝している」この発言に聞き覚えがある読者は、2015年11月に筆者の偉大な同僚である故ジョセフ・ラゴ氏が執筆したトランプ氏とのインタビューを読んだのだろう。当時、今回と同じように大統領候補だったトランプ氏は、公の場でWSJを非難した数日後にインタビューに応じ、その冒頭でわれわれのことを称賛した。トランプ氏は今回のインタビューで90分以上にわたり、威張り散らすような発言とご機嫌取りの発言を交互に繰り返した。この押したり引いたりする態度はまったく威圧的ではなく、不思議なことに、われわれの敵対心は取り除かれた。トランプ氏には承認欲求の強い人物という印象があり、その欲求のせいで同氏は、少なくとも筆者にとっては、テレビで大言壮語の有名人として映る様子よりも好感が持てた。