お金にまつわる問題の多くは、「貯め方」ではなく「使い方」にある。そう警鐘を鳴らすのが世界的話題作『アート・オブ・スペンディングマネー』だ。本書には、人生を豊かにするどころか、逆に「惨めになるお金の使い方リスト」が紹介されている。今回は、特に印象的だった3つを紹介する(構成:ダイヤモンド社書籍編集局)

不幸になる人がやりがちな「お金の使い方」3つの落とし穴Photo: Adobe Stock

① 自立ではなく、ステータスにお金を使う

お金は自由をもたらす。経済的に自立すればするほど、仕事も、付き合う相手も自由に選べるようになり、時間の使い方の自由度も増していく。

それなのに人は、物質的な豊かさや見栄を張ることにお金を浪費してしまいがちだ。

私たちは、「人の目を引くための買い物」が、自分の「人生の自由」を奪っているという事実を自覚する必要がある。しかも、その買い物は思ったより人の目を引かないうえに、その効果も一瞬であることが多い。

② 極端な節約をし、豊かな暮らしを拒否する

一方で、貯めすぎることも問題になる。『アート・オブ・スペンディングマネー』では、下記のような極端な節約についても警鐘を鳴らしている。

「お金の唯一の目的は銀行口座に貯め込むことだと考える」
「お金をより良い生活をするための道具とはみなさない」
「お金を増やすこと自体を趣味にする」

節約や貯蓄はもちろん大切だ。だが、それが行き過ぎると、「お金を貯めるだけで終わる人生」になってしまう。これは、浪費とは別の意味での“お金の失敗”だ。

自分の人生を豊かにするためには、収入に応じた豊かな暮らしを実践していくことも大切なのだ。

③ 知っている中で、最も成功している人と同じ生活を夢見る

もう一つ、印象的な「惨めになるお金の使い方」が紹介されている。これは厳密には“使い方”というより、“考え方”の問題だが、「知っている中で、最も成功している人と同じ生活を夢見る」というものだ。

こういう考えをしていると、たとえ思いがけないほどの成功をつかんでも、物足りないと感じるようになる、と本書は警告している。

気を付けたいのは、常に「上には上がいる」ということだ。憧れを抱くこと自体は悪くないが、他人の生活を追いかけるようにお金を使っても、いつまでたっても満足できない生活を送り続けることになる。

(本原稿は、『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』(モーガン・ハウセル著・児島修訳)に関連した書き下ろし記事です)