あなたは、「仕事ができるようになりたい」と思ったことがありますか?
でも、「仕事ができる」とはいったい何を指すのでしょう。
プレゼンがうまいこと? 英語がペラペラなこと? AIを駆使すること?
……残念ながら、これらはすべて「仕事ができる人」の条件ではありません。
では、何をすれば「仕事ができる人」になれるのでしょうか?
3万人を分析して「できる人側」になる絶対ルールをまとめた書籍『仕事ができる人の頭のなか』(ダイヤモンド社刊)著者の木暮太一氏に伺いました。
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仕事ができるメンバーを育てる
世の中に多くの研修があります。
リーダーシップ研修、プレゼン研修、ロジカルシンキング研修、DX研修、セキュリティ研修……。
企業は毎年、さまざまなテーマで研修を実施しています。
身につけたいスキルがあって、個人的に自己投資をする人もいるでしょう。
ですが、残念ながら学んだことが、なぜか現場で活かされないということもよく耳にします。「あれだけ勉強したのに、あれだけ研修を受けたのに、あれだけ本を読んだのに、結局使えてないな……」と感じている方も多いのではないでしょうか?
ぼくも昔、同じことで悩んでいました。サイバーエージェントで子会社の事業責任者になったとき、リーダーシップの本を読み漁り、セミナーにも通いました。でも、状況は何も変わりませんでした。
じつは、これには明確な理由があります。
それは、インプットを自分のものにして、アウトプットするための言語化スキルが欠けていることです。
スキルを学んでも、それを応用して実行するためのベースが整っていないことが原因なのです。
言語化スキルこそが「OS」である
パソコンにたとえると分かりやすいです。どんなに素晴らしいアプリケーションをインストールしても、OSが古ければうまく動作しません。
OSがあって初めて、WordやExcelといったアプリケーションが動きます。OSがなければ、どんなに高機能なアプリも動きません。
企業研修やスキルアップの学びも全く同じです。
一般的なリーダーシップ論を学んでも、それを自分ごとに応用できなければ意味がありません。
また、リーダーシップを発揮しようとしても、言語化スキルがなければ部下に何も伝わりません。
「もっと主体的に動いて」と言っても、「主体的」が指す内容を明確にできなければ、相手は動けないのです。
また、組織風土を変えるための研修を受け、現状の課題と理想像を描いたとしても、言語化スキルがなければ「知識」だけで終わってしまいます。
そもそも“組織風土”とは何か? 今日から何をすればいいのか? を明確に言語化していなければ現場で使えないのです。
かつて、ぼくが勤めていた企業でも“社内の風通しをよくしよう”と考え、研修を実施していました。
しかしその対策として出たのは「課長や部長を役職名ではなく、『◯◯さん』と呼ぶ」ということでした。
課長を「◯◯課長」ではなく「◯◯さん」と呼ぶのは結構ですが、そう呼び名を変えたからと言って“社内の風通し”が良くなったとは言えません。
新しく「組織風土を変えるためのアプリ」をチームにインストールしても、OSがアップデートされていなければ、そのアプリをどう処理すればいいかわからずにフリーズしてしまうのです。
新しい知識や手法を取り入れ、役立てるためにはベースに「言語化スキル(明確にするスキル)」が必要なのです。
言い換えれば、明確化していなければ、何を学ぼうとしてもほとんど意味がない。
言語化スキルは、あらゆる研修やスキルアップのための学習を現場で活かすための「OS」なのです。



