そのため、受診した際には、必ず、要介護認定の申請をした旨を伝えておくべきだ。また、日常の生活状況なども、受診の際にはきめ細かく伝えておく必要がある。

書影『介護格差』(岩波新書)『介護格差』(岩波新書)
結城康博 著

 高齢者本人が伝えることが難しければ、できれば家族が同席して医師に説明するほうがよい。診察時間が5分前後なので、医師からは普段の日常生活の状況まできめ細かく聞かない場合があり、患者側から積極的に伝える必要がある。

 なお、総合病院など大きな病院の医師が主治医(かかりつけ医)になっている場合、医師の意見書の手続きには時間がかかる。そのため、要介護認定の申請の際には、できれば近所の診療所の医師を「かかりつけ医」として申し込み用紙に記入したほうがよい。

 医師の意見書の提出が役所に遅れると、認定審査が遅れ申請から結果までおよそ30日前後なのが、60日もかかることが珍しくない(平均40.2日)。できるだけ、風邪などをひいた際に決まって受診する診療所(クリニック)を固定化しておくべきだろう。