メンタル不調による休職期間が始まると、社員は心と体の回復を目的に休息することになります。休職期間に入ったばかりの頃は、何もかもが億劫だったり、ベッドから起き上がれなかったりすることもあります。その後、徐々に回復傾向に向かい始め、少しずつやる気が出始めます。しかし、また気分が落ち込んだりすることもあります。そして、次の週には、外出できるようになったり、物事への興味関心が出てきたりすることもあるでしょう。

 このように、メンタル不調者は休息を取ることで気分が晴れたり、落ち込んだりを繰り返しながら、徐々に回復に向かいます。この間に主治医と相談しながら、復職の時期を見定めていきます。

 結果としてメンタル不調から回復し、業務に支障がないことの確認ができた時点で、復職となります。逆に言うと、休職期間は、「治療を行い、業務に復帰するまでの時間」として、会社側からも、ある程度妥当であると考えられている期間とも言えます。

再発率の高さの背景には
「早い回復」の切迫感がある

 しかし、病気の治療を終え、復職した場合でも、約5割が再発し再休職に至るという調査結果(*2)もあります。この調査によれば、再発時の休職期間を比較すると、1回目は平均107日に対し、2回目は平均157日、と1.5倍長くなっている点も気に留めておく必要がありそうです。

(*2)労災疾病臨床研究事業費補助金「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」(平成28年度総括・分担研究報告書)