再発率が高い背景には、会社によって定められた休職期間中に体調を回復させなければならないという意識から、治療の進みに対する焦りが生じ、知らず知らずのうちに回復していない自分を騙しながら無理をして復帰してしまう、という現実があります。また、一時的に良くなったものの、職場環境のストレスに耐えられずに、更に酷い状態に陥ってしまったという可能性もあります。

 ここまで休職に関する内容を休職者のこととして述べてきましたが、休職に関する事務作業、休職者への対応を人事労務の方が行う立場から考えると、通常業務と並行して、イレギュラーに発生する仕事としては、負担がかなり大きいことも追記しておきます。

 また、私の個人的な意見になりますが、メンタル疾患に罹患したことのある社員は、たとえ元気に出社し、回復したように見えても、その時の苦しさ、辛さを心のどこかに持っているようです。

 これはある意味、本人達にとっては「お守り」のようなものになります。良い意味で、自分の行動にブレーキをかけ、最悪の状態にならないように、自分の気持ちに折り合いをつけるトリガーのようなものです。そのようにして、メンタル不調から復帰した社員は、メンタル不調と付かず離れず、付き合いながら過ごしているのです。