メンタル不調者の多くが後悔
「もっと早めに相談しておけば」
これまでメンタル不調に陥るメカニズムと、陥る前に対処することの重要性についてお伝えしました。もう1つ、聞き取り調査で気になったことがあります。
それは、調査対象者のほとんどの方が「もっと早めに相談しておけばよかった」と語る点です。
メンタル不調になった多くの方は、自分が病気なのだと認識した後、「すぐには「合理的に」悩みを言えない実情「合理的に」悩みを言えない実情回復しないだろう」ということも自分で分かっているのです。だからこそ、「もっと早めに誰かに相談することができれば、自分の状況は変わっていたのではないか」と後悔していたりもします。
調査の中で、そのような想いを伺うと、悪意なくシンプルに、「では、相談すればよかったのに」などと思ってしまうのですが、一歩踏み込んで気持ちを聴くと少し印象が変わります。
それは、「相談すればよかった」と思う一方で、病気と診断された後、改めて振り返ってみても「実際には相談できなかっただろう」とも思われているのです。そのような気持ちの相剋が生じるのは、悩みの原因、理由に拠ります。