子どもが不良になる「家庭環境」より大きなリスクとは?家庭環境に問題があることで非行に走るというのは、短絡的な考えと言える(写真はイメージです) Photo:PIXTA

少年の非行の原因としての家庭環境は、一般に考えられているほど大きくはなく、むしろ大きく影響しているものがあると言います。法政大学文学部心理学科の越智啓太教授の『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』(日本文芸社刊)より紹介します。

「家庭環境に問題=非行に走りやすい」はウソ!?

 少年の非行が取り上げられると、その家庭環境に目が向けられることが多くあります。たとえば、両親から暴力を受けて育つと、子どもは問題解決の手段として、相手を攻撃するのが一般的だと考えてしまうようになりがちです。

 ただし、実証的な研究によると、非行の原因としての家庭環境は、一般に考えられているほど大きくはなく、むしろ友人関係の方が大きいという見解が多くなっています。