一方で、「ダイエットや勉強」は未来のためのものですが、未来の自分は他人なので、他人のために自分が嫌な思いをするのと同じようなものです。だから、うまくいかない。サボってしまう。今の快楽を優先しちゃったりするわけです。

 なので未来の自分を他人だと思わないために、たとえば「アプリを使って、未来の自分の姿を写真にしてみる」とか「未来の自分に手紙を書いてみる」とかがいいよねー、みたいな話です。

 まあ、このあたりも以下に記載する序文を読んでみてください!

 ちなみに本に合わせて珍しく、口調がである調だったりもします。そのあたりも含めて楽しんでください!

「未来の自分」と仲よくなる

 海外の本を翻訳したものにはときどき、このような「読みどころ」みたいなものが入るときがある。読者としては、「読んでも読まなくてもいいもの」としてとらえる人もいれば、「本は最初から読みたいから、一応読む」という人がいる程度のものだ。

 だから、このあたりで「あ、この文章は必要ないな、さっさと結論に飛んでほしい」と思っているかもしれない。しかし、この文章は今回に限っては価値のあるものになるかもしれないのだ。なので、少しだけおつき合いいただきたい。

 価値があるものになるといっても、これは私の書く文章が優れているからでも、本の解説が上手だからでもない。この本をすでに読み終わっている私にとっては、どんな価値を提供すればいいのかわかっているからというだけだ。まるで、手品ショーの観客の中で、1人だけマジックのタネを知っているようなものである。

 それは何か? 

 結論から言うと「読み終わった後の姿を想像させてあげるだけで、読者がこの本を読み終えようと思えるようにできる」である。

 というのも、今あなたは「この本を読み終わった後の自分」を想像できていないはずだ。まるで「他人」のように感じているはずである。

 あなたは今から、この本を全部読んで理解する、というそれなりに労力がかかる行動をとることになる。中には、ビジネス書の大量の文章を読むのがまったく苦ではない読者もいらっしゃるだろうが、多くの人にとっては、これは知的なトレーニングのようなもので、簡単なことではない。