オーラNISMOは快適性もハイレベル
購入後の“お楽しみ”も待っている

 車両重量は1390kg。FFと比較して110kg(大人2人分)重くなっている。サーキットで速さを追い求めると、状況によっては2WDのほうが速い場面もでてくるだろう。しかしコーナー立ち上がり加速は4WDに軍配が上がる。また重量増は、乗り心地の上質感向上に貢献しており、プラス方向に作用している印象を受けた。

 NISMOはモノチューブ式リアショックアブソーバーを標準装備。4WDはリアサスペンションにメンバーが追加されている点も、乗り心地に影響しているかもしれない。走りが楽しいだけでなく、快適性も重視している点に、NISMOの懐の深さを感じた。

 撮影中に細部を観察していると、独自のエアロファルムが強い存在感を放っていることを実感した。このクルマはまさに全方向でファインチューンされたツーリングカーである。

 4WDの価格はFF比で約40万円高い347万3800円。これにコネクトナビ、プロパイロットなどのオプションを加えると40万円ほど高くなり、価格帯的には欧州車もライバルになる。オーラNISMOは電動スポーツという独自の個性を持ち、走りの刺激度は最高レベル。利便性のよさや1台でいろいろな用途に対応できることを考えれば、決して高くないように感じた。ただし性能面では不満はないが、リアブレーキがドラムなのは少し寂しい。

 NISMOは、スポーツモデルが持つ性能を実際にカスタマーに実感してもらうため、NISMOドライビングアカデミーというスポーツドライビングレッスンを毎年開催している。全国のサーキットで行われるアカデミーはスーパーGTなどに参戦するNISMO契約レーシングドライバーの指導のもと、クルマについてより深く探求できる。オーラNISMOはGT-RやフェアレディZとともに、このレッスンに参加できる。スペシャルモデルとして購入後の楽しみの幅も広い。


(CAR and DRIVER編集部 報告・写真/横田康志朗)

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