具体的には、たとえば、「10キロ減量する」「マラソンで4時間を切る」「学校の成績を平均5%アップする」「辞書なしでフランス語の新聞を読めるくらいまで熟達する」等だ。これらには、目標が達成されたかどうかわからないという曖昧さはほとんどない。
もうひとつ重要なのは、あなたがすでに一流のアスリートやフランス語話者でないかぎり、目標の到達点を超えることはいくらでも可能だということだ。到達点を定めて、それだけクリアすればよいとするのではなく、これぞと思う分野に関しては、更なる高みを目指して果敢にチャレンジすべきであり、ひいてはそれが自分のウェルビーイングの向上にもつながっていくのである。
ここで一旦整理しよう。目標はひとつに絞れた。目指すべき到達点も決まった。次に必要なのは、目標達成までの時間軸を明確にすることだ。到達点が明確で、良い目標であっても、それをいつまでに到達すべきかが自分でわかっていないと簡単に挫折してしまう、ということが多数の実験結果で示されている。