思いつきで先走ってしまい
失敗や中途半端で終わってしまう

 才気みなぎるアイディアや鋭いひらめきが魅力的なAさん(28歳)。ADHDの人には、こんなアイディアマンもいます。新しいプランがどんどん思い浮かび、周りから高い評価を受けることもあるでしょう。

▼Aさん(28歳・男性)の場合

Aさん(28歳・男性)の場合同書より転載

 ところが、思いついたことをよく検討したり吟味したりするのが苦手。さらに上司や仲間に相談せずに先走ってしまい、結果として失敗することもしばしば。せっかく行動を起こしてもちょっとした問題にぶつかると、すぐ「やっぱり無理かな」とか「もうめんどうだ」と投げだしたり、あきらめてしまったりもします。

 あれもこれもできると考え、いくつもの仕事を行うけれど、おもしろそうなものに意識を奪われて、肝心の用件をあと回しにしてしまったり、地道な努力を怠ってしまったりするのもよくあること。業務を遂行する際に欠かせない準備作業や粘り強い交渉などが苦手で、せっかくの企画が中途半端になってしまうこともしばしばです。