ストレスがかかると
すぐにイライラしてしまう
いっしょにいる家族はいつもイライラして怒っている姿を見て、嫌な気分になってしまいます。ちょっとしたことでも怒るので、その人を怒らせないように周りはピリピリしたりおどおどしたり。せっかく楽しみのために出かけても、楽しむどころではありません。
さらに家族の心身の健康にも影響をおよぼすのです。子どもは自己肯定感が低くなったり、常に不安にかられたり、大人になっても心の悩みを抱えたりする人もいます。
▼Fさん(57歳・男性)の場合
交通渋滞や、興味のない買い物につきあうのは、誰でも多少ストレスを感じるものですが、ADHDの人は定型発達の人の何倍も強くイライラしてしまうのです。
またささいなことで「そこまで怒る?」と周りの人が引くほど感情的になってしまうのは、脳の司令塔である「前頭前野」などがうまく働かないせい。
定型発達の人は「ここは黙ってがまんしたほうが得」「怒ってもしょうがない」などと、理性的な考えが働いて自分を抑えることができますが、ADHDの人はその機能がうまく働かず、刺激に即座に反応してしまうのです。
また、イライラすると血管内にストレス物質が流れますから、長い目で見ると健康面でも損。イライラしないほうがトータルで自分の得ということを、ぜひ覚えておいてほしいです。