堅調な推移を続ける米国経済
市場の金利観が大きく揺れ動く
米国経済が予想を超える堅調さをみせている。2022年から2023年まで政策金利を大幅に引き上げたにもかかわらず、ここまで米国景気が大きく落ち込みを見せることなく、このまま再加速していく可能性すら感じさせる。
これは緩やかな景気減速にとどまるという「ソフトランディング・シナリオ」よりも、目立った景気減速がない「ノーランディング・シナリオ」に近いイメージだ。
それにもかかわらず、米連邦準備制度理事会(FRB)は、前回(9月18日)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5.25-5.50%から4.75-5.00%に引き下げた。当時は大幅利下げを期待する声が市場で強かったとはいえ、結果論にはなるが0.50%幅での利下げは少し前のめり過ぎたのではないだろうか。
ちなみに、金融政策修正の終着点における政策金利水準であるターミナルレートは、9月時点で3%弱の水準を予想する声が強かった。それから1カ月超を経過した現時点では、ターミナルレートを3%代後半と予想する見方が有力だ。わずかな期間に市場の金利観が大きく揺れ動いたことがわかる。
この見方に従うと、0.25%幅の利下げが年内に1~2回、来年にも2~3回、合計で3~5回というペースでの利下げが想定されることになる。