
トランプ岩盤支持層の知識人は
今の政治体制をどう考えているか?
米大統領選は11月5日の投票日まで約2週間となったが、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領のどちらが勝つかが見えない大接戦の様相だ。
バイデン大統領の撤退で、若さと初の女性非白人であるハリス氏が新鮮なイメージを与えることに成功し支持率ではわずかながら逆転しているとはいえ、直近の世論調査などでも、トランプ支持の根強さも相当なものだ。
いくつもの刑事訴追を抱え、有罪評決を受けた人物であり、テレビ討論会での移民がペットを食べている「発言」のように、根拠の乏しい扇動的な言動は相変わらずだ。
それでも世論調査での支持率が大きく落ちるわけではない。何事もなかったように支持し続ける層がいるのには理解に苦しむ。なぜかくもトランプ支持の岩盤は強いのか。彼らの確信はどこから生まれるのか。
その理由の一つは、岩盤支持層の発想の根底にある政治体制についての見方にある。建国時の合衆国憲法の精神が1960年代の公民権法体制に押しつぶされたという意識だ。
今回の大統領選で移民流入問題が大きな対立点となっているのも、このことと深く結び付いている。