トランプ陣営、ハリケーン被災で
ハリス氏の失点狙いSNSで拡散
米大統領選は11月5日の投票日まで約2週間となったが、激しさを増すのが、SNSでの「偽情報」や「陰謀論」の氾濫だ。
9月から10月にかけて米国南部に大型のハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」が立て続けに上陸し大きな被害が出たが、政府の復興支援などを巡り、「政府の支援を返済できないと資産を接収される」「共和党支持者を被災させ、投票に行けないようにハリケーンを誘導した」などの情報が飛び交うことになった。トランプ氏が水に漬かりながら被災地を視察しているような人工知能による偽画像も拡散された。
トランプ陣営も、ハリケーンの被災や支援の遅れをバイデン政権の一員であるカマラ・ハリス副大統領の失点にするために流布に加担しているとの見方が一般的だ。
実際、トランプ氏自身も復興予算が不法移民の支援に「流用」されており、特に共和党支持者が多い地域で復興がないがしろにされているといった批判を繰り広げている。
まれに見る接戦のまま終盤を迎えている大統領選挙の現状を考えれば、トランプ陣営があらゆる機会や手段を利用しようとするのはわからないではない。
深刻なのは、普通に考えれば、その真偽が判断できそうな偽情報や陰謀論が疑われることもなく受け入れられる病巣が米国社会に広がっていることだ。