「ファヴローは、あれを2人が絆を結ぶ場面にしたかったんですよ」とファーガスは説明する。「演出する自分も大いに楽しめる場面だと思ったんですね。どこか親密で、どこか気持ち悪くて、どこかセクシーで。ファヴローはこの瞬間が印象に残ることを本当に願って、時間をかけて書き直していました」。
何百といる女友達の中でも、トニー・スタークが信用して心臓をいじらせるのはペッパー・ポッツだけ。それをファヴローは強調したかった。
キャラクターに生命を吹き込む
俳優たちの即興演技
2人の間にロマンスを感じさせるためには、俳優2人の持つ頭の良さと魅力を引き出す演出が求められ、2人の俳優は少し盛った自分を演じる必要があった。
コミックスのトニー・スタークは大したユーモアの持ち主ではないが、ダウニーは持ち前のウィットをキャラクターに吹き込み、さらに皮肉屋という衣で包んだ。
パルトローは、ダウニーほど自然に即興演技をこなせるわけではなかったが、彼女の個性を脚本に盛り込む術をファヴローが見つけていた。リハーサルの最中にパルトローが言ったことをファヴローは片っ端から書き留め、ペッパーの台詞に転用したのだ。