ニューヨークの街中で冬の午後、実験者が歩道に立って空を見上げます。この人数を1人、2人、3人、5人、10人、15人と変えて、それを見た通行人の反応を観察します。
実験者の行動は決まったパターンの繰り返しです。指定の場所で立ち止まり、通りの向かい側にあるビルの6階の窓を60秒間見上げ、その後に立ち去ります。一定時間経つと今度は別の「見上げる人」が同じ場所で同様の行為を行います。この実験の間に通りがかった通行人は全部で1424人です。そのうち、何人がつられて見上げたかを数えました。
その結果、見上げるのが1人の時に立ち止まったのは通行人の4%、15人が見上げると40%が立ち止まりました。さらに、つられて窓を見上げた割合は、見上げるのが1人の時は43%、15人のときは86%でした。皆が注目するものには自分も反応し、合わせるという同調効果が実験で検証されました。
今回の2000万円問題も、ニュースやネットで注目が集まっていることを知った人々が、同調効果によって自らも注目しました。この同調の輪が拡大することで、今回のような騒ぎになったと考えられます。