仕事は真面目にがんばっているのに、上司や同僚に評価されない。そんな悩みを抱えている人は、いわゆる「なめられやすい人」なのかもしれない。タフで自信家というステレオタイプなリーダー像とは異なる、穏やかで控えめな性格の人が職場で存在感を示すには、どうすればいいのか。元マッキンゼーの女性起業家である筆者が指南する。※本稿は、リサ・サン著、鹿田昌美訳『なめられない品格 誰からも信頼されるようになる8つの力』(飛鳥新社)の一部を抜粋・編集したものです。
上司があなたの貢献を評価しないのは
あなたが仕事ぶりをアピールしないから
グラビタス社の「コンフィデンス・クロゼット」は、魔法を起こすシンプルな空間です。できるだけ本物の試着室のように感じてもらえるように、ポップアップストアを会議室や講演会の会場に設置し、会場の奥の更衣室のラックに洋服をいっぱい吊るしていて、入り口にこんな看板を掲げています。
「自分を褒めましょう。あなたの〈一番の強み〉を発揮しましょう。一歩踏み出してあなたの自信を形にしましょう」
この空間が、多くの気づきをもたらし、変革を起こすのです。
例えば、グラビタス社の長年の顧客であるスーザンは、数字に熟達していて、大手ヘルスケア会社で財務チームの指揮を執っています。
10年間勤務していますが、自分の価値を評価されていないように感じていました。服を脱ぎながら、スーザンは私にこう言いました。
「これ以上ないタイミングでここに来ることができました。つい先日、上司に私には品格がないと言われたんです。どうすればいいのでしょうか」
そう、私が上司に言われたのとまったく同じことです!
スーザンは、上司の人柄について詳しく教えてくれました。スーザン自身は根っからの知性派であり、穏やかな話し方でチームの世話をしますが、上司のCEOは極めて外交的な人で、営業部門で昇進しながら磨き上げた魅力的な押しの強さで、人の何倍もの貫禄を醸し出すのだそうです。私はスーザンにこう尋ねました。