ロシアは国内の大手石油会社を一つの国営企業に統合する計画を進めている。これが実現すれば、世界のエネルギー市場やロシアの戦時経済に対するウラジーミル・プーチン大統領の支配力は強化されるだろう。事情に詳しい関係者らによれば、現在協議中のシナリオでは、国営大手ロスネフチが同じく国営のガスプロムの子会社であるガスプロム・ネフチや独立系のルクオイルを吸収合併する。3社はいずれも米国の制裁対象。3社が統合されればサウジアラビアのアラムコに次ぐ世界第2位の原油生産企業となり、産油規模は米最大手エクソンモービルの3倍近くに達するほか、インドや中国などの顧客からより高い価格を引き出すことも可能になるだろう。協議は、経営陣や政府当局者らの間で数カ月前から行われている。関係者らによると、合意に至るかは不明であり、計画の詳細が変更される可能性もある。