同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「断固拒否の法則」である。
【貧す人】○○について、議論しよう
【稼ぐ人】○○について、阻止しよう
「私たちは気候変動について、議論したいのではありません。阻止したいのです」
こんな強烈なメッセージを、会社案内に掲載する企業がある。
そう、あのアップルだ。
「拒否する」「阻止する」という言葉は、強烈な意志を表明し、望む現実に向かって行動を奮い起こさせる。
だから、企業姿勢を打ち出す際には、非常に効果的だ。
「当社の使命(ミッション)は、動物の保護であり……」というより、「当社は、動物実験を断固拒否します」のほうが社内外に決意が伝わる。
また、「サラリーマンの暮らしを支えます」ではなく、「消費税増税を阻止します!」と表現すれば社内外ともに印象に残り、社員は意志を持って行動する。
企業理念のある会社は多いが、そこにある文章は、「私たちは地域社会で愛される存在になります」「すべては顧客満足のために」などでほとんどは他社のマネ。自らの内面からほとばしる言葉で使命感を伝え、一貫した方針を示せる会社は極めて少ない。
企業理念が伝わらないと、社員は働く意義を見出せず、企業理念と社員の行動がチグハグだと、顧客に応援されるどころか、離れていってしまう。言葉の力は、あまりにも偉大だ。
【稼ぐ人】が表明すること
使命を表明するとき、深く考えないで言葉を選んでも何も始まらない。
だが、リーダーの内面を映し出す言葉を忠実に選んだとき、それは強い意志となり、一貫した行動を生み出していく。
【貧す人】は、手垢のついた言葉で使命感をとりあえず表明するが、
【稼ぐ人】は、内面からほとばしる言葉で使命感を堂々と表明する。
これは、個人の仕事にも当てはまる。
自分のミッションを明確に表現できる人には、どんなツラい仕事でも、忍耐強くやり抜く意志が宿る。
私が参加した教育関係のミーティングで、ある学校の先生が声を荒げて言った。
「私は、子どもたちが嫌がっているのに、意味なく繰り返し教科書を覚えさせるような退屈な授業を絶滅させたいんです!」
あなたが、絶滅させたいことは何か?
断固拒否する、もしくは阻止することは?
言葉の力によって明確になった、あなたの使命感を世界へ発信することで、会社は強力な世界変革エンジンになっていくのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)