もう一つ、ノンオイルタイプのドレッシングを使うときに気をつけてほしいのが食塩のとりすぎです。通常の分離液状タイプとノンオイルタイプの和風ドレッシングの大さじ1杯あたりのエネルギー、脂質、食塩相当量は次の通りです。

・和風ドレッシング 分離液状タイプ (大さじ1)
エネルギー27kcal 脂質2.2g 食塩相当量0.5g
・和風ドレッシング ノンオイルタイプ(大さじ1)
エネルギー12kcal 脂質0g 食塩相当量1.1g

 通常の分離液状タイプのドレッシングに比べると、ノンオイルタイプはエネルギーと脂質はたしかに少ないのですが、その分食塩相当量が多くなっています。

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、私たちは1日に摂取する食塩のうち、約67%をドレッシングをはじめとする調味料からとっています。食塩の過剰摂取は生活習慣病のもとです。野菜をおいしく、たくさん食べて健康維持をしようとしていても、食塩をとりすぎてからだを悪くしては元も子もありません。

 なるべく脂質をとりたくないという気持ちは理解できますが、ノンオイルタイプのドレッシングが必ずしも健康にベストな選択とはいえないことに注意してください。もちろん、ノンオイルドレッシングを使うことが悪いわけではなく、他の調味料と同様、かけすぎに注意すれば問題ありません。

生野菜は細胞壁を
壊すつもりでよく噛む

 生野菜サラダを食べるとき、注意してほしいことがあります。食べ物に含まれる栄養素は、食べ物を構成する細胞のなかに閉じ込められています。肉や魚といった動物の細胞は、細胞膜に包まれています。

 一方、野菜の細胞は細胞膜の外側にさらに細胞壁があります。しかも、この細胞壁は非常に強固で、生で食べた場合は細胞壁の一部しか破壊できず、中の栄養素を効率よく摂取できません。生野菜サラダばかりで野菜をとっていると、意外に栄養素がとれていない可能性もあるのです。

 野菜の細胞壁を壊す方法は大きく二つあります。一つは加熱です。野菜を加熱すると細胞壁がやわらかくなって壊れやすくなります。また、かさが減って量もたくさん食べることができます。