全落ちを回避しつつ、憧れの志望校に合格する併願戦略をどう組めばいいのか。#14の前編に続き、後編では「偏差値30台前半~50未満の併願戦略のリアル」を希学園首都圏学園長の山﨑信之亮氏に解説してもらった。今回は特別に合格校だけでなく、不合格校も含めた全受験校とその合否も明らかにする。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾』の#23では、偏差値30台前半~50未満の9人の全受験校と合否を公開。憧れ校に3回挑戦して合格した女子や、MARCH付属に実力以上の力を発揮して合格した男女など、併願戦略の裏側も開陳する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
「偏差値34~49」9人の
全受験校の合否を完全公開
偏差値帯が中位~上位の併願戦略を紹介した#14の前編に続き、後編では希学園の偏差値が30台前半から50未満の9人の全受験校と合否を完全公開し、偏差値帯別の併願戦略のリアルをお届けする。
注目してほしいのは、特別に希学園首都圏にデータを提供してもらい、「前受け校から不合格校まで全ての受験校の合否」「希学園およびSAPIXの平均偏差値」なども赤裸々に公開していることだ。さらに併願戦略の決定プロセス、受験直前および本番中の指導についても山﨑信之亮・希学園首都圏学園長が解説する。
SNSでも「わが子が難関校合格するまで」といった発信は多いが、「中堅層のリアルな戦い」の情報は少ない。不合格も隠さずに掲載しているので、ぜひチェックしてほしい。
今回紹介する9人には全勝も全敗もいない。不合格が目立つ子もいるが、希学園首都圏の昨年の塾生215人のうち「全落ち」は1人だけだという。前受け校や安全校で合格を確保しつつ、不合格を受け止めながら、きちんとチャレンジすることで期待値を最大化できるのだ。
実際、偏差値が低い学校に不合格となるも、難関校でリベンジ合格を果たすという逆転現象も目立つ。次ページでは「偏差値40未満からMARCH付属に合格」「同じ学校に3回挑戦して合格」といった例も紹介している。
最後まで諦めないことも重要だ。特に中堅層の場合、上位層が受験終了した後に意外なチャンスに恵まれるケースもある。
掲載データの見方を簡単に説明しておこう。希学園首都圏では偏差値別に最上位のS0からS9まで10段階のクラスを設定している。偏差値は希学園、SAPIX共に母集団のレベルが高い分、数字が低く出やすいのが特徴だ。それを前提に他の塾に通っている家庭も参考にしてほしい。
それでは早速、山﨑信之亮・希学園首都圏学園長に解説してもらおう。
次ページでは偏差値が30台前半から50未満の9人の「全受験校(9人合計76校)の合否」を赤裸々に公開。併願戦略の組み立て方、試験直前や本番中のリアルも解説する。