合格体験記は読んだことがあっても、塾側の目線で併願戦略を解説した記事は少ない。希学園首都圏学園長の山﨑信之亮氏に、偏差値が異なる6人の生徒の併願戦略について解説してもらった。実際の面談資料も特別に公開して、3回に分けて解説していく。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#19では、第2弾として2月1日夜に本人の強い意志で受験パターンを変更した男子や、1月の渋幕不合格から2月のチャレンジ校をつかんだ男子のケースをお届けする。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
実際の面談資料を公開
2人の合否の結果は?
希学園では面談を通じて、生徒全員の併願戦略を徹底的にシミュレーションする。しかも、その際は、偏差値表を用いながら複数のシナリオを用意する念の入れようだ。
今回は偏差値帯が違う6人の実際の面談資料を特別に公開してもらい、1月の埼玉、千葉から、2月1日以降の東京入試まで激動期のリアルを3回に分けてお届けする。同塾の模試の偏差値はSAPIXの合格力判定サピックスオープンと近い水準なので、それを前提に他の塾に通っている家庭も参考にしてほしい。
第2弾は平均偏差値45~50のE君と、平均偏差値55~60のC君のケースを紹介する(面談資料なので、実際に受験した学校とは一部異なる。また、24年入試の出願期間や合格発表時間は必ず募集要項を確認してほしい)。
早速、山﨑信之亮・希学園首都圏学園長に解説してもらおう。
【平均偏差値45~50 E君の場合】
併願校を1日夜に変更し
最高のパフォーマンスを発揮
E君の受験期は大変でした。当初は広尾学園が第1志望でしたが、公開模試の結果は43、46、47。しかもSAPIXの模試など、形式が変わる他流試合に弱い。
次ページでは2人の実際の面談資料を公開して、併願戦略と実際の受験パターンを解説。2月1日夜に本人の強い意志で「あの学校をもう一度受けたい」と受験パターン変更を希望したE君に、塾や保護者はどう対応したのか。1月の「渋幕が不合格」だったC君は、2月の併願パターンをどう練り直したのか。2人の合否についても明らかにする。