この間の3月24日に2022FIFAワールドカップ・アジア予選の第9戦、シドニーでのオーストラリア戦が控えていた。
グループBの2位日本と3位オーストラリアの直接対決で、カタール大会の切符を手にすることができる2位以内を確保するためには、どうしても勝たなければならない敵地での大一番だ。
私は、すでにチェアマンではなかったが、協会の副会長として代表チームに帯同をすることになった。ずっとチームのそばにいて、「関係性の質」の観点で組織コンディションを見守っていた。
森保一監督以下、吉田麻也キャプテンを中心にチームは見事にまとまり、長友佑都や川島永嗣らのベテランがチームを明るく鼓舞し、若手も遠慮なく、のびのびと発言する。とてもいいバランスだ。
リラックスした感じでスタジアムでの前日練習を終えた選手はロッカールームに帰っていった。
するとロッカールームからキャプテンの吉田麻也が再び私のところに戻ってきた。彼は、「村井さん、ちょっといいですか」と、私をロッカールームに連れていくのだ。
ロッカールームでの風景に私は驚いた。選手たちが私を「8年間お疲れさまでした」と拍手で迎えてくれたのだ。そして、背番号「8」と「MURAI」と記されたユニフォームをプレゼントしてくれたのだ。