長引くコロナ禍で、体を動かす機会がメッキリ減ってしまった人は多いはず。気がつけば、肩はゴリゴリ、背中はバキバキ、股関節はコチコチに……。
そこで参考にしたいのが、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)、『金スマ』(TBS系)、『体が硬い人のための柔軟講座』(NHK)などで話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏の著書『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、ちょっとした「スキマ時間」で、いつでも、どこでもできる“気持ちい~いストレッチ法”を、マンガでわかりやすく指南。「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも体がやわらかくなる秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、運動指導のトッププロが教える医学的にも正しいストレッチで、「体が硬い」を解消して、柔軟性をとり戻す方法を紹介する。(初出:2022年11月29日)
監修:田畑クリニック院長 田畑尚吾 医師 イラスト:百田ちな子
なぜ体が硬いと
姿勢が悪くなるのか?
【前回】からの続き
キャンプなどでテントを設営するとき、左のロープをしっかり張っても、右のロープがゆるいと、テントは右のほうに崩れます。私たちの体も同じように、一方の筋肉だけが硬くなると筋肉の柔軟性がアンバランスになり、姿勢が悪化してしまいます。
手や足など左右ある筋肉のいずれかの側が硬い場合、多くの人は柔らかいほうをせっせとストレッチしようとする傾向があります。柔らかいほうが、伸びている実感を確実に得られるからです。
なぜ猫背になるのか?
しかし、本来は硬くなっているほうを伸ばすべきなのです。一方、“弱い筋肉”と“硬い筋肉”の組み合わせにも問題があります。筋肉には年齢とともに弱くなりやすい筋肉と硬くなりやすい筋肉があります。この2つの筋肉の相互作用で不良姿勢がつくられてしまうのです。
たとえば「猫背」の場合、胸の筋肉である「大胸筋(だいきょうきん)」は硬くなりやすく、背中側が前に引っ張られます。
“弱い筋肉”を鍛えて改善
普通は背中側の筋肉が引っ張ることで抵抗するのですが、「菱形筋(りょうけいきん)」や「僧帽筋(そうぼうきん)」などの背中側の筋肉には、加齢とともに弱くなりやすい性質があります。そのため猫背になってしまうのです。
この場合、弱い筋肉をトレーニングで鍛えると改善します。
※本稿は、『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』より一部を抜粋・編集したものです。