そのショックから彼は猛烈に行動を始めます。

「自分に刺激を与えてくれる人と一緒に過ごすということは、自分に才能があることや一生懸命に仕事をすることと同じくらいに大切である」

 こう、ドリュー・ヒューストンは言います。

どんな場所でもいい
狼煙を上げ、旗を立てろ

 ではどうすれば、そういった人が集まるのか。そして、自分が考えるビジネスに賛同し、仲間となってくれるのか。

 まず「狼煙を上げる」ことです。

 あなた1人の頭の中にあるビジネスには、誰も参加できません。

「私はこういうビジネスを起こしたいんだ」「こういう夢がある」「こんな痛みをなくしたいんだ」と声を上げるのです。

 それは、投資家へのピッチの席かもしれない、食事の席かもしれない、友人と話しているときかもしれない。あるいは、シェアオフィスの共有スペースで、起業家の卵が集まるイベントで、場所はどこだっていいのです。

 まずは、声を上げること。自分はこんなことを考えているんだ、これを実現したいんだと狼煙を上げる。旗を立てるのです。

起業家がビジョンを語り
人が集まれば推進力が生まれる

 そこに人を集めるのは、「ビジョン」です。夢です。あなたの夢に共感できたら、ビジョンを共有できたら、人は集まります。だからこそ、「共感できるビジョン」でなければならないのです。

 人が増えると素晴らしいことが起こります。

 推進力が生まれるのです。

 1人では実行できなかったことも、仲間とならば前に進むことが増えていきます。起業家がゼロから生み出した1が、仲間によって2に3に、5、10、100へとうねるようにムーブメントを起こしていきます。

 スポーツを見ているとよく「流れが変わった」という言葉が出てきます。

 試合の雰囲気、主導権を持っているチームが変わること、まだ負けていても逆転への流れができてきていることですが、これを「モメンタム」といいます。「推進力」のことです。事業において、モメンタムを生み出すのは、人と人のつながりにほかなりません。