「かわいそう」と共感するより
「解決したい」と行動を起こせ

 誰しも最初は見つけられません。気がつきません。テレビで「世界で貧困に苦しむ、十分な学びを得る機会がない子どもがたくさんいる」と訴えられても、かわいそうだと思い、募金しようかなと思うだけ。そこからもう一歩踏み込んで、「では、どうすればいいんだろう」「何をすればそれが解決できるんだろう」「自分だったら、どうしたいだろう」と自分ごとにしていく、それが共感力です。

 世界の貧困問題をなんとかしたい!の前に、僕の友達のジョニーはご飯を食べられない日がある、彼を救いたい!と考えるようになる人もいるでしょう。

 そういった思いが、解決側に立ち、行動を起こすことにつながるのです。

 他の人の痛みを想像し、共感し、自分の痛みとして感じることができる。

 その痛みをなんとかしたい。どうすればいい?

 そこにビジョンが生まれるはず。だから、解決策が生まれ、それを実行することができる。

起業を成功させるには
5人の変態を集めよ

 私はよく「5人の変態を集めよ」と言っています。

 ここでいう変態は、一般的に知られる意味ではなく「変化を常態とする人」です。いかに優れた才能を持つ人でも、「いまのままでいい」「チャレンジしたくない」という人は、起業に向いていません。「変化に前向きな人」、少なくとも「変化することに抵抗がない人」であることが必要です。

 ファイル共有サービスのDropboxの創業者、ドリュー・ヒューストンの言葉を紹介します。

“あなたの価値は、自分と一緒に過ごす人の5人の平均値で決まる”とよく言われます。少しだけ考えてみて下さい。あなたのサークルにいる5人は誰ですか?

 彼は、MIT(マサチューセッツ工科大学)在学中から、起業したいと考えていましたが、なかなか行動に移すことができないでいました。

 しかし、彼と同じアパートに住む、同じMITの卒業生の2人組が起業するというのです。そして「投資家にヘリコプターに乗せてもらう」と外出したというのです。

「彼らはもうスーパーボウル(アメリカンフットボール・NFLの年間最強決定戦)に出ている。しかし、自分はドラフト(新人選手選抜イベント)にもかかっていない」